問題の本質は収益環境の縮小や市場シェアだけではない
事業活動において銀行取引はなくてはならないものです。
そのため経営者にとって取引銀行の経営統合は大いに気になるテーマでもあります。
地域金融機関の経営統合の可否判断において市場シェア比率は重要な基準であり、
貸出金の伸び悩みや低金利での収益環境の縮小は経営統合の大きな要因となっています。
しかし問題の背景として注目すべきことはほかにもあるのでないでしょうか。
それは日常まだ一般化しているといえないイノベーション技術の急速な進展です。
金融機能の普遍化を促すイノベーション技術
そのイノベーション技術の代表格は以下の技術です。
■ブロックチェーン(Blockchain)
■フィンテック(FinTech)
■AI:人工知能(artificial intelligence)
金融インフラの行き届いている日本ではこれらの技術導入の必要性はあまり強くありません。
銀行口座普及率の低い国を中心に新しいサービスの導入は急速に進んでいます。
しかし日本においてもグローバルな金融システムの変化の波は伝わってきています。
金融機関の専門かつ最大の機能は貨幣取引の管理機能です。
銀行の所有する巨大なセンター集中管理システムはブロックチェーン導入で不要になります。また、フィンテックやAIの機能は銀行の窓口機能にも大きな影響を及ぼすでしょう。
これらイノベーション技術は金融機能のあり方を一変させる可能性を秘めています。
変化は着実に浸透し瞬く間に一般化する
ビットコインなど仮想通貨は利便性の高さから普及の速度は加速し始めています。
会計管理や投資システムなどを含めるとこれらイノベーション技術は広範囲に普及しつつあるといえます。
現在進展しているイノベーション技術の普及の速さはインターネット以上と言われています。
一般化する近い将来、金融機関経営の環境の激変することは想像に難くありません。
地域金融機関の統合問題の議論において、このような論点抜きに問題は解決しないでしょう。
編集後記
デリケートなテーマなのでブログとしてどうかと随分迷いました。
ただ、事業経営者の皆さんに伝えたいという思いと、
自分の考えを伝えたい思いがありました。
金融機関の皆さん、大変だと思います。