事業者の抱える不安を取り除くこと
長年磨いてきた技術を活かしての独立や、アイデアを発展させながらのスタートアップ事業など目指している起業の姿は人によってちがいます。
共通しているのはリスクを負ってでも、自分で身を立てようという思いを持っていることでしょう。
そのような相談者のサポーターとしての役割は、都合の良い「成功する秘訣」を指南することではないと感じるようになりました。
一言で表すなら、事業者の抱えている不安を取り除き開業の準備に集中できるようにしてあげることと言えそうです。
漠然としている不安要因を顕在化
事業者の抱える不安要因を列挙してみると
■売り上げの目途は立っているか
■顧客に提供する製品やサービスの競争力レベル
■必要資金の確保
などでしょうか。
ビジネススタイルは事業を構成する要素(顧客セグメントほか)の状況と、それらの関係性によって決まってきます。
サポーターは開業しようとしているビジネスのどこに不安要因を抱えているのか、早い段階で見抜けなければなりません。
漠然としている不安定な事項を言葉や資料などで顕在化させ、事業者自ら気づくように心がけています。
ビジネスの姿の理解には多くの時間
起業を目指す相談者の準備レベルも様々です。
1.何から手をつけていいのか不明
2.幾つかの準備は整っているものの不安定
3.ビジネスモデルは確定しブラッシュアップしたい
起業相談の大半は1もしくは2のレベルと言えます。
サポーターとして最も大きな不安要因を特定するのに多くの時間を費やすこともあります。
起業を決心するこれまでの思いや背景を聞きだすことによって、事業者の描くビジネスの姿をやっと理解できたこともありました。
迷いや不安を生じさせない対応
迷っている事業者は必要な情報を得ようと積極的に行動します。
色々なアドバイザーを訪ねることは当然のことでしょう。
わたしのところにも時々いらっしゃいます。
最初にどこかに相談されているか確認をすることとしています。
なかにはこれまでの相談対応に不満を打ち明けられる方もいます。
明らかにおかしいと判断される場合を除いて、これまでのアドバイザーへの相談継続を勧めています。
長い時間をかけてサポートしてきたアドバイザーの取組みを尊重するとともに、相談者を迷わせて不安にさせるべきではないからです。
サポーターは得意分野、不得意分野を持っていて一律に能力を比較することは適切ではありません。
複数のサポーターと関わろうとする相談者には、起業への行動に迷いや不安を生じさせないような対応を心掛けています。
編集後記
まがりなりに自分で決めた朝ランニング。
朝起きできて予定通り走れた時は一日の気分も上々です。
今朝も走ります。