不正事件のダメージは計り知れない
連日新聞では神戸製鋼の不正問題を取り上げています。
ラグビー部の活躍など良いイメージを持っていたので残念な気持ちで一杯です。
銀行員時代に監査部という部署に3年間在籍し、内部監査の仕事をしました。
内部監査の仕事というのは営業店を臨店し、不正、不祥事等のチェックに明け暮れる毎日です。
そのため不正事件の記事を見ると「何故チェック機能は働かなかったのか」と考えてしまいます。
「きれいごとばかりで世のなか通用しないよ」という声も聞こえてきそうですけれど。
不正事件を起こしたことによる37千人の従業員を抱える企業の受けるダメージは計り知れません。
事故発生で真っ先に問われるのは管理者責任
事件や事故を未然に防ごうと殆どの組織はコンプライアンス(法令遵守)の強化に努めています。
しかし、不正や不祥事は起こるべくして起き、偶然発生することはありません。
経験上、事件、事故、不正の発生は温床となる環境と一体となっています。
具体的には「管理者不在」、「事なかれ主義」、「波風を立てたくない」、「性善説主義」など。
誰しも職場のなかで牽制し合うようなことはしないでしょう。
とはいうものの日常の中で「おやっ」という事象を見つけたらチェックすることは必要です。
特に管理者はコンプライアンスの管理責任も担わなければなりません。
基本的な法令を学習し職場のリスク管理、モラル維持に取り組むべきです。
事故の発生で真っ先に問われるのは、管理者の責任だからです。
日常からリスク管理に備えておくこと
普段何ごとも起きていなければ、コンプライアンス管理の重要性はクローズアップされません。
いったんコトが起きると管理状況や体制について厳しく問われます。
監査部勤務時代もそうでした。
何ごともない平穏な日々は疑わしいコトの発覚の途端、休み返上、不眠不休体制に一変します。
事件や事故の発生は当事者本人と組織どちらも不幸を招くことになります。
日頃からモラルの維持とリスク管理に取組むことこそ重要です。
編集後記
銀行員時代、監査部勤務者は行員をけん制する非常な嫌われ役でした。
何が辛いかというと業務上のできごとや困ったことを妻にも話せないことです。
苦労はしたものの、今となってはいい経験をさせてもらったと感謝しています。