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AIの普及で本当に仕事はなくなるのか

AI技術は普及しても簡単に雇用シフトは起きない

巷ではAIに単純な仕事は取って代わられるという説がセンセーショナルに語られています。
私の読んだ「『AIで仕事がなくなる論』のウソ」という本は、このことに正面から疑問を投げかけたものです。

この本ではこの先15年間に現実的な雇用シフトは起きるかということを論じています。
主張の根拠はAIに関する論文や歴史的経緯に加え、業界の雇用担当実務者への取材を基にしています。

結論としてAI技術は普及していっても簡単に雇用シフトは起きないというものでした。

 

事務職はAI以前にIT化で全社員比3%に

AI技術の代替可能性については大きく3つの職について検証されています。
その3つとは
■営業職⇒代替は進まない
■流通・サービス業⇒代替は進むも「すき間仕事」発生
■事務職⇒AI以前にIT化進展で激減 です。

営業職は顧客との間に微妙な駆け引きを必要とし、日本において儀礼的な接触は不可欠であるためAIでは代替出来ないと結論付けされました。
ただ、AIに関しては「使う人」と「使われる人」に二分化されるようです。

流通・サービス業のBtoC向けサービスだと儀礼的行為よりも重要視されるのは価格です。
汎用型AIとロボティクスの進化により急速に自動化は進むものの、全て自動化ではなく人は新たに繋ぎ役的なすき間仕事を担うようになるというのです。

事務職は徹底したIT化により単純事務処理要員は全社員比3%にまで激減すると予想されています。
事務処理系士業職はAIでの処理結果のチェック作業を担当することになり、単純に代替されるわけではありません。

 

実際の環境に即して判断されるべき

AIによる雇用シフト論の論旨は職種の単純な自動化可能性によって積み上げられ展開されています。
また、AI化によるコスト負担は考慮されていないなど実現化に伴う要因は必ずしも考慮されていません。

さらには、少子化や人口減少とも相まってAI導入は政策的に進められることもあるでしょう。
単純に雇用シフトを語るべきではないようです。

実際の環境に即して判断されるべきことといえます。

「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト

「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト

  • 作者:海老原嗣生
  • 出版社:イースト・プレス
  • 発売日: 2018-05-12

編集後記

長崎国際大学で開講されている「起業論」という講義のビジネスプラン審査会に参加しました。
発表内容は様々で多岐に富んでおり、時間を忘れてしまうくらいでした。
プレゼンの出来映え如何でこんなに印象は変わるのかということを実感します。

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