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「20億人の未来銀行(合田真著)」を読んでお金のしくみについて考えたこと

目からうろこのメッセージに一気読み

実は合田真(ごうだまこと)さんの講演を直接聞いた時は、正直なところあまり興味は湧きませんでした。
日本植物燃料というバイオエネルギー生産会社の経営者で、モザンビークに生産拠点を設けられています。

金融インフラの整備されていないアフリカの地で必要に迫られ電子マネーシステム構築を始められました。
「探検から金融まで」というテーマの講演は現地での取組みを淡々と聴いているうちに終了。

誰しも「さぞかし大変だったでしょう」という感想を持っただけだっただろうと思います。
せっかくなので著書を購入して読んでみることに。

講演では殆ど伝わらなかった目からうろこのメッセージの数々に一気読みでした。
講演会では運営主体の金融機関に配慮され、お金のしくみについてトーンを抑えられたのでしょう。

富の極端に偏在する今の時代

合田氏は金融システムの専門家ではありません。
強みはモザンビークの現地で実際に取組まれ蓄積されたノウハウだと言えます。

金融の専門書からは得られない端的なメッセージは時代の変化を映していました。
お金のしくみに関するメッセージ
■世の中は「現実」と「ものがたり」で動いている
■お金のしくみは人が作った「ものがたり」
■お金のしくみは私たちにも変えられる

人の作るルール(宗教、思想、国家など)は資源の制約される時代(資源制約期)に大きく変化してきました。
富の極端に偏在する今の時代は資源制約期であり「時代の変わり目」だという認識は共感できるものです。

身近に居そうな方の経営実践記として

最先端の技術であることよりも実際に「現地の人の役に立つ」かという観点で技術を判断してきたそうです。
仮想通貨のブロックチェーン技術は常時接続できるネット環境でないと運用できません。

そのためモザンビークではローテクの電子マネーシステムを採用されています。
自分の置かれている状況下で取られている現実的な行動は優れた事業経営者に共通するものです。

特別な能力を持った凄い人ではなく、身近に居そうな方の経営実践記として読むこともできます。
時代の変わり目を示唆する仮想通貨のあり方についても考えさせられました。

20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る

編集後記

講演を聴講する前に著書を読んでいたら全く違った印象を受けていたかもしれません。
ただ講演を聴いて何か引っかかるところがあったから購入してしまったのでしょう。
自分の感性に従って正解でした。

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