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メインバンクの融資担当者に求められること

債務者側として金融機関担当者と初めて対峙

経営改善の資料作成をサポートしている社長から依頼され、メインバンク訪問に同行しました。
サポートの始まりは知人の税理士の繁忙時期の3月、顧問先の設備資金調達の支援要請を受けてからです。

当初の要請については程なく調達先を見つけられ、引続き経営改善の相談に乗っていました。
銀行の応接室に到着し応対した担当者は貸出条件緩和先の社長に対しややいんぎんな素振りです。

これまで銀行員だったわたしにとって債務者側として金融機関担当者に対峙するのは初めてのことでした。

 

リレーション不足常態化による不幸

同じく知人の税理士も貸出条件見直し協議に同席して社長と担当者のやり取りを聞いていました。
具体的なことは差し控えますが、担当者の返済元金増額要請の一点張りにはさすがに呆れたようです。

売上増加分を単純に返済金額にスライドできない理由を財務資料に基づいて説明し始めました。
悩ましい課題のあることを伝えているのに、担当者との会話は一向にかみ合いません。

とうとうわたしも口を挟んでしまい担当者に以下のことを尋ねました。
■メインバンクの担当者として実態をどのように把握しているのか
■事業者の抱える課題について認識を共有できているか
■提出を求めている資料の作成負荷量を基に協議スケジュールを提示しているか

得意顔から急にびっくりした顔になり一言も言葉を返さなかったので、逆にわたしは愕然としました。
要するに事業者とのリレーションは全くと言っていいくらい取られていなかったのです。

債権者、債務者双方の立場に立ってもこうした状態は不幸なことだと感じました。

 

第三者の立会いもケースによっては有効

最終的には担当者の上席役席者の判断で十分に検討を行って後、再協議することに落ち着きました。
メインバンクの店舗を出て3人で喫茶店に入り顔を合わせた時、社長はとても喜んでいました。

メインバンク担当者との協議は常に一方通行だったようで、今回の成行きはサプライズだったのでしょう。
金融機関にとってもわたし達二人の同席の協議は、多少は信頼性に寄与したようです。

メインバンクとの協議に際しては適切な第三者も立ち会うことでスムーズに運ぶケースもあるようです。
社長たちとはこれからもしっかり連携し資料作成に取組むことを確認し別れていきました。

 

編集後記

先日、合田真氏の講演「探検から金融まで」を聴講。
モザンビークで電子マネー経済圏を作ろうとする話でした。
今度は仮想通貨で地域通貨を作る取組みについて、どなたかの話を聴いてみたいと思います。

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