日本語堪能な気さくな米国人
著名なベンチャーキャピタリストであるアニス・ウッザマン氏の講演を聴く機会がありました。
氏はFenoxVCの共同代表者で在福岡米国領事館と九州経済産業局などの主催で企画されたものです。
講演者について事前の知識は全くないまま聴講の申込みをしました。
東京工業大学への留学経験をお持ちのため日本語堪能だということ、シリコンバレーVCの生々しい話を聴けるかもという気持ちからです。
聴きに行った感想はというと、大正解。
堅苦しい内容はなく、これまで投資してきた案件の紹介を中心にVCの活動ぶりを分かり易く語られました。
今普及し始めている技術へは4年前に投資
ウッザマン氏の会社は次世代ITテクノロジー分野を中心に投資をされています。
2018年にトレンドやブームを起こしそうな技術分野の話は興味深いものでした。
既に専門分野情報として伝えられている技術も含め、日本でも実用化は具体的に進んでいるようです。
【技術分野と事例】
ヘルスケア
■糖尿病患者向けの非浸透パッチセンサー
■唾液のゲノム解析による乳がん・卵巣がんの発病予測
AI
■AI搭載の移動可能パーソナルロボット(次世代ロボBuddy)
■自動運転カーによる宅配サービス
■ディープラーニング活用したピッキング分別ロボット
医療施設運営
■医師・職員の行動データ解析による患者待ち時間圧縮
量子コンピュータ
■スタートアップ企業に活発な投資活動(ベンチャー企業Rigetti)
これらの技術分野へは既に4年ほど前に投資されていて、投資額は6億円~10億円だとか。
ようやく今、投資した技術は世の中に普及しようとしています。
VCの役割は引き上げるべき起業家の発掘
ベンチャー企業に求められることは最新テクノロジーの開発能力のみではなく、目の前にある問題や課題を解決する着眼点。
日本の技術者のレベルは世界のベンチャー起業家たちと比べても上にあるというウッザマン氏の評価でした。
しかし、ビジネスに結びつけることなく与えられた仕事をこなすことに時間と労力を費やして終っているようです。
ベンチャーキャピタルの役割は事業のアイデアや着眼点見つけ出し育てていくことで、ウッザマン氏は自分の天職だと言われました。
現在現で活躍されているベンチャーキャピタリストの話はリアリティありました。
斬新なアイデアを持つ起業家たちの可能性を拡げられるかどうかは、周りのサポーターのチョットした気づきにかかっているのかもしれません。
編集後記
今日は大学生に事業計画作成に関する財務の話をします。
ウッザマン氏の話のエキスも伝えたいですね。
財務の基本的な知識も事業を興すときには必須です。