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大企業の開放特許は宝の山か

ArtsyBee / Pixabay

大企業所有の特許は半分以上眠っている

研究開発型の企業では新しい技術の発見とともに、日々たくさんの特許申請を行なっています。
しかし、実際にその会社で利用されている特許は4割程度と半分以上は埋もれたままの状態なのです。

何故このようなことになるかという理由はあります。
開発段階でたまたま考案した技術は全てを製品化に使える訳ではないからです。

しかし、特許を保持しつづけるためには出願料のほか特許料を毎年支払わなければなりません。
申請数の多いほど負担額は大きく、しかも保有年数に応じて基準金額は上がっていきます。

 

眠った特許を活用する「開放特許」制度

こうした費用面での対応策として、大企業では扱わない特許を「開放特許」として一般にオープンにしています。
「開放特許」を使いたいという希望者には使用権を与えて使用料をいただけるようになります。

利用者にとっては開発に要するコストや時間を掛けずに、自社製品を生み出す技術を手に入れることが出来ます。
とはいえ、ポイントは「開放特許」のなかに利用に値するモノはあるかということでしょう。

マッチング次第ということになります。
開放されている特許を幾つかピックアップしてみました。

富士通の「開放特許」技術
■粉砕植物原料を用いた圧縮成型
■パソコン収納デスク
■ジャイロ効果を利用したパワーアシスト

九州電力の「開放特許」技術
■小型蓄電池内蔵コンセント
■IHクッキングヒーターを利用した冷却調理器
■ヘビ昇り防止具

NHKエンジニアリングシステムの「開放特許」技術
■類似画像検索
■書き起こし支援
■顔画像の検出・追跡・認識

 

ビジネスチャンスを探すツールの一つに

「大企業で見向きもされなかった技術なんて」と言われる方もいます。
しかし、まさに利用者のニーズとのマッチング次第ではないでしょうか。

中小事業者の自社製品開発支援策として、研究機関(大学)、地公体、金融機関などでも活用を後押ししています。
全国各地で「知財ビジネスマッチングセミナー」として「開放特許」を活用するイベントも開催されています。

使うか使わないかは内容次第、ビジネスチャンスに繋がる可能性も期待できます。
セミナー事務局は各地の発明協会で担当されています。

 

編集後記

昨日は地元自治会の会合に参加、色々なことが起きているんですね。

とても素人では判断できないこともあり、とある研修会でご一緒した知人に相談しました。

的確な回答を直ぐに得ることができ、大変助かりました。

ご縁に感謝です。

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