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日銀短観(2017年9月)で読む今の景気

AlexanderStein / Pixabay

仕組みは単純でも精度はピカイチの景況感指数

現在の景気はリーマンショック前の水準を上回るほど好調といわれています。
景気判断の指標は3種類あり、日本銀行の発表する短期経済観測調査(短観)の景況感指数も代表的な指標です。

景気指標の種類
■鉄鋼生産量や小売販売額など統計実数
■実数を基に合成した景気動向指数
■景況感指数

統計実数をテクニカルに合成する景気動向指数に比べて、景況感指数は直感的な指数といえます。
作成方法
■企業アンケートの集計
■景況感指数=景況感「良い」の割合ー景況感「悪い」
■プラスの数値の高いほど景気は良いと判断する

景況感指数は直感的でありながら、景気動向指数とも高い相関性を示しその精度は信頼されています。
そのため、日銀の発表する四半期ごとの短観の内容は株価や経済政策に大きな影響力を与えます。

 

景況感はプラスでも企業規模でレベル感は異なる

企業規模や業種ごとに集計された景況感指数は数値の羅列であるため、読み取るのはとても面倒です。
しかし、分析値を整理すると様ざまなことを示してくれます。

企業規模別の日銀短観指数(単位:ポイント)

2016年 2017年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月
大企業 13 12 12 14 16 20 23
中堅企業 12 9 10 12 15 16 18
中小企業 1 ▲1 0 2 5 7 9

2017年9月短観のポイント
■企業規模に関わらず景況感はプラス
■改善傾向を強めている
■企業規模で景況感レベルは異なる(大企業23、中堅企業18、中小企業9)

 

特に好調な非鉄金属、汎用機械、建設、不動産

好調な業種をピックアップしてみると、現在の好景気を形づくっている産業の姿も見えてきます。

製造業の景況感指数(上位3業種)(2017年9月)

2016年 2017年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月
非鉄金属  ▲3  ▲6 1 12 20 26 28
汎用機械  4 ▲1 0 7  13 20 27
生産用機械  12 7 3 3 16 17 27

※非鉄金属は海外の様ざまな金属製品に幅広く利用されており、海外を含む景気の好調さを反映しています。
※汎用機械や生産用機械は生産活動を支える産業です。

非製造業の景況感指数(上位3業種)(2017年9月)

2016年 2017年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月
建設  17 13 16 16 20 22 24
不動産  24 20 18 20 23 24 24
情報サービス  23 19 16 18  25 24 24

※震災復興、東京オリンピック需要、景気浮揚効果で建設業、不動産業は活発化。
※情報サービスはデータセンターや市場調査などの情報処理、ソフトウェア開発といったシステム投資。

 

編集後記

明日は中秋の名月です。

お月見会のお誘いをいただいており、楽しみにしていました。

さきほど、お天気が崩れそうとのことで中止の連絡、残念。

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