基本である「顧客志向」という考え方
事業者優先のビジネスだと「セールスしなくとも売れる仕組みづくり」は実現出来ません。
マーケティングでは「顧客志向」という考え方を基本にしています。
顧客のニーズに沿うことを事業の起点とする考え方です。
誰しも当然のことと考えていると思います。
しかし、これを事業者として実践するのは容易ではありません。
既存の考え方の枠を超えられないと、顧客ニーズや利便性は二の次になり衰退していきます。
事業の枠を壊せず衰退した米国の鉄道産業の事例
顧客志向に対する製品志向という考えについて象徴的なエピソードを紹介します。
第二次大戦後、米国において鉄道産業は自動車、航空機、電話などの台頭で衰退しました。
自らの事業にこだわるあまり、「輸送手段」とは捉えられなかったからという話です。
この根拠となった考え方を「製品志向」と言います。
レビットは「マーケティングマイオピア(近視眼的志向)」という言葉で表現しました。
自分たちの立場で物事を硬直的に捉えてしまう戒めの事例とされています。
「顧客志向」の実践に必要な「創造性」の発揮
成功している事業であるほど自分たちのスタイルにこだわります。
変化する事業環境や競争環境に対して適応するには、固定的な考えを持たないことです。
これから創業しようと考えている皆さんはあまり関係ないと感じるかもしれません。
しかし、事業計画を考える時に硬直的な考えになっていないか振り返りの参考になります。
ドラッカーの示す新しいものを生み出す創造的破壊(イノベーション)の5つのパターン
■新しい財貨の生産
■新しい販路(市場)の開拓
■新しい組織の実現
■新しい生産方法の開発
■原料や半製品に関する新しい供給源の獲得